いくら決算書では利益が出ていても、必ずしもその利益に見合う現金預金があるとは限らないというのが企業経営です。すなわち、利益=キャッシュではないということ。
先日ある経営者(当事務所のお客様ではありません)の方と、話させていただいたときのことです。
「うちは、商品を発送する前に代金を請求しその振り込みの確認ができないと売らないようにしていますので、売掛金はありません。現在、帳簿が遅れ気味で半年前ぐらい前までしか月次の試算表ができていませんが、常に預金通帳にある程度一定の金額があるので会社としてやっていけてるのかと思っています。」というような社長さんの話。
まさしく、キャッシュフロー経営の実践。
月次の試算表が遅れているのは大問題ですが、ある意味ではキャッシュフロー経営を実践され、常に預金残高が一定の金額を維持しているかを確認しながら経営をされている点はいいことであります。
しかし、話をお聞きするうちに、つい先日、車を2台を現金で購入したとか。
ということは、その車の代金数百万円をその預金口座から支払っても普段どおりの一定の残高かあるという事になります。
仮に、現金売上、現金仕入、在庫なし、という商売をやっているとした場合、借入金の返済がないケースでは、基本的には、入金が売上、出金が仕入及び経費となり、その差額が利益ということになります。よって、利益とキャッシュは一致することになります。
しかし、上記の場合は、車の購入をキャッシュで行っていて現金預金がその分出金になっていますので、その全額が購入時のの経費とはならないため、キャッシュの残高=利益とはなりません。
仮に車の購入代金が2台で1000万円だった場合、5年で償却すると、毎年200万円ずつしか経費となりません。
この場合、キャッシュは1000万円の支出ですが、経費となるのは200万円のみ。
すなわち800万円の相違が発生。
上記の会社の利益は、少なくとも現預金の増加分+800万円はある計算になります。今から今期の利益に対する税負担も考慮に入れた資金繰りを考えなければならないのは言うまでもないことです。
タイムリーで正確な月次決算を毎月行うことは規模の大小に関係なく大事なことであります。自社の収益状況や経営上の課題を瞬時に把握し明日への経営に役立てたいものです。

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