3簿記の確認です。
商品売買の処理方法は分記法と3分法をまなび、一般的には3分法を採用しているところです。
3分法とは ご承知のとおり商品売買を仕入(費用)売上(収益)繰越商品(資産)の3つの勘定に分けて記入する方法。
つまり、商品を仕入れた段階でまだ売れていなくても仕入という費用として処理。
そして決算時に売れ残っている商品があればそれは財産なので仕入の金額からその額をマイナスして繰越商品勘定として資産に計上するというやり方であります。
そこで、大事なのが決算時での繰越商品として認識する金額であります。
具体的には、繰り越される商品の数 × その単価 でありますが、問題となるのはその単価であります。
もし、8月1日に事業を開始し、次のような価格で商品を仕入れた場合を考えてみましょう。
8月10日仕入分 A商品 10個 単価550円 計5500円
8月20日仕入分 A商品 10個 単価520円 計5200円
8月25日仕入分 A商品 10個 単価530円 計5300円
8月31日が決算日で、15個売れたので、売れ残っている数は15個だった場合、繰越商品として資産に計上する金額はいくらでしょうか。
所轄税務署に評価方法の届け出をしていない場合は、最終仕入原価法という方法で計算することとなり 7950円となります(15個×530円)。
最後に仕入た時の金額で全部の商品の価格とするという方法となるため、530円で仕入れた商品が10個しかなくてもその530円が最後の仕入れ価格のため530円で全ての商品の価格とすることになるわけです。
うれた15個は売価が1000円だったとすると、
① 売 上 15000円 (15×1000)
② 売上原価 8050円 (5500+5200+5300−7950)
③ 利 益 6950円 (①−②)
という計算となります。
つまり、繰越商品の金額は、その商品が値上り基調の場合には、A実際に買った金額以上の金額となるケースがあるのに対して、逆に値下がり基調のケースでは、B実際に買った金額以下の金額となるケースがあることとなります。
Aの場合は②の売上原価が小さくなり③の利益が大きくなり、また、Bの場合は②の売上原価が大きくなり③の利益は小さくなることとなります。
繰越商品の計算をどのようなほうほうによって計算するかによって、利益が増減するという結果になることが往々にしてあるということになるわけです。
本日訪問させて決算内容を事前に説明させていただいたお客様企業では、売上を前年対比100とした場合に売上原価が100を大幅に下回る結果に。
これは、商品の価格が下落し続けたのと、在庫の評価を最終仕入原価法で行っているのが原因ですよと説明させていただいたところであります。
いずれにしても、棚卸数量等の把握を毎月毎月正確に実施するということが正しい月次決算を行うための大前提ではありますが・・・。
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