先日、とある団体の周年記念式典に参加する機会がありました。

その際、来賓として出席された地元の市長が、祝辞の中で世阿弥の言葉を引いてお話しされていたのがとても印象的でした。

世阿弥は、日本の伝統芸能である「能」を大成させた室町時代の偉人。

その世阿弥が遺した言葉の中で、最も広く知られているのが「初心忘るべからず」。

気になって改めて調べてみたところ、この言葉には深い意味があるようです。

現代では「物事を始めた頃の純粋な気持ちを忘れない」という意味で使われがちですが、本来は「未熟だった頃の失敗や恥ずかしさ、手探りだった経験を決して忘れてはならない」という自戒の教えなのだそうです。

そこには大きく分けて3つの教訓が込められています。

1つ目は、「過信を防ぎ、謙虚さを保つこと」。

物事に慣れて上達してくると、人はつい「自分はできる」と慢心してしまいがち。最初のぎこちない自分を覚えているからこそ、天狗にならず謙虚に学び続けることがでる。

2つ目は、「人生の段階ごとに『新しい未熟さ』を受け入れること」。

年齢や立場が変われば、誰もが再び「初心者」に戻る。新しい挑戦の中でうまく振る舞えなくても恥じ入ることなく、まっすぐ向き合う姿勢が大切。

3つ目は、「過去の積み重ねを捨てないこと」。

初期の苦労や試行錯誤の記憶があるからこそ、困難に直面したときにも原点に立ち返り、改善や打開のヒントを見出すことができる。

「初心」とは単なる最初の志ではなく、「自分の未熟さを自覚し、常に向上心を持ち続ける姿勢」そのものを指しているのだとのこと。

日々の自分自身の姿勢を振り返る、良い気づきを得るひとときとなりました。

「初心忘るべからず」を常に意識して行きたいと思います。

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