昨日、数年前に日本理化学工業の大山泰弘会長の話を思い出したところです。
日本理化学工業は、チョークを製造する会社(国内シェアが3割あって、業界トップを維持)でその従業員の70%以上が知的障がいのある社員の会社。
障がい者の今ある能力で、その仕事ができるように作業方法を工夫、改善しているのだそうです。
障がい者を雇うようになったのはまったくの偶然だったとのこと。
今から50年ほど前、工場に、近くの養護学校の女性の先生が訪ねてこられ中等部を卒業する2人の女生徒を受け入れてもらえないかという依頼が始まり。
その先生は「子どもたちは、このままでは働くことを知らずに一生を終えることになります。何とか雇ってもらえないでしょうか」と嘆願。
大山会長自身、福祉や障害者のことなど何も知らなかったため、「お気持ちはわかりますが……」とお断りしつづけたそうであります。
何度も訪ねてこられることとともに、子どもたちの境遇と先生の熱心さに打たれ根負けするような形で、1週間の実習だけならと、受け入れたのがきっかけだとか。
ところが、人等に一生懸命な働きぶりで他の人の模範となるような熱心さ。
昼食のベルが鳴っても、他の従業員が声をかけるまで、一生懸命仕事をするほどだったとか。
最初は同情からだった。しかし、彼らと共に働くうちに彼らから教わることの方が多かった」本当に一生懸命働く2人の姿に心を打たれ、次第に障害者を雇用するようになり現在の70%の雇用となったようであります。
大山会長の言葉が印象的でした。
人間の幸せとは「人にほめられる」「人の役に立つ」「人に必要とされる」こと。いずれも「働く」ことで得られる喜び。
しかし養護学校卒業後に障害者施設に入ると「働く喜び」はなかなか得られない。働きたい気持ちがある障害者たちに道を開こうと、日本理化学工業は今も障害者雇用を続けているそうであります。
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昨日は、県内の養護学校で 知的障がい者の子どもたちが、本当に一生懸命に民間企業から委託を受けたいろいろな作業をきびきびした動作でモクモクと与えられた仕事を行っている姿を見学させて頂く機会に恵まれました。
ここまで、ていねいにやるのかと思うほどの作業ぶりで感動のひと言でありました。
具体的には、割烹からの依頼の割り箸の袋詰め。
当然衛生には最大の注意を払い、袋詰めするにもまずマルイ棒を通してからその空いた隙間に割り箸を入れるという丁寧さ。
旅館のタオルの袋詰めも、ミリ単位まで大きさを測っての折り込み後の封入。
キヅがつかないような最新の注意を払いながらの缶切りの組み立て等々。
また、挨拶も気持ちの良いものでありました。
大山会長の「人が生きている以上、能力がゼロということはありません」という言葉が脳裏によぎった次第。
健常者であれ障がい者であれ、それぞれが持っている能力をそれぞれが発揮することこそが生きるとだと痛感した次第であります。
社会の中で、障がい者が企業でできることは意外とあるもの。
ぜひ、多くの企業で1人でも多くの障がい者の雇用を検討していただければと思った次第であります。
必ずや企業の発展に貢献できるものと確信いたします。
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